<ご質問>老後2000万円問題というのが、ここ数年でにぎわいました。
実際に老後2000万円というと、年収200万円の生活が10年程度しかできず、
年金を合わせてみても大した金額にはなりません。
実際のところ2000万円問題とはなっていますが、現状から想定してみても、
2000万円をゆうに超える金額が必要になってくることは明白だと思います。
質問の内容としては、老後2000万円問題という話がありますが、実際に現在の年収(400万であればその金額、300万円であればその金額)の水準で暮らしている方の水準に合わせた老後2000万円問題を教えていただきたいです。
400万円の暮らしを維持していくには老後いくら必要か、300万円の生活をしていくならば老後いくら必要かというところを質問させていただきます。
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ご質問ありがとうございます。
埼玉県のブレイン・トータル・プランナーの舘野です。
2000万円問題というのは、金融庁の金融審査会、市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日の1.現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)の中で(2)収入・支出の状況を解説しており、その中で高齢夫婦無職世帯の平均的な毎月赤字額を5万円と記載したことにより問題化されたものです。
このケースでは平均的な世帯(年金受給のみ)の収入は約21万円でしたから、実支出26千円と差(赤字額)を個人が保有している金融資産から補填することとなり、年間総支出額312万円=26万円×12ヵ月と年金収入の年額252万円の差額の合計が2000万円と試算されたものです。
従って、平均的なモデルの夫婦世帯の月額21万円をベースとし、そのご家庭が家計費として年間で300万円もしくは400万円を要すると仮定をしてお答え致します。
月額21万円×12ヵ月=252万円と仮定した場合は、300万円の年収までは42万円不足します。
400万円では148万円不足します。
これを100歳まで(年金受給から35年間)で計算致しますと下記のとおりとなります。
300万円の年収
年間不足分42万円×35年間=1470万円←予測不足額
400万円の年収
年間不足分148万円×35年間=5180万円←予測不足額
実際には、収入に見合った家計でやりくりしますので、このような考え方にはならないとは思いますが、年収=家計という考え方に合わせるとこのような答えが導かれます。
また、現在の平均寿命は男性82歳、女性87歳ですから、100歳という計算は高齢化社会を想定した上での計算であるとお考え下さい。尚に高齢者への社会保険の負担増、物価上昇率、消費税増は含まれてはおりませんので、それらを係数として採用した場合は、上記の予測不足額では到底足りないと予測されます。
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