配偶者居住権ってなに?

相続

配偶者がお亡くなりになった時に、自宅(4000万円)と現金(1000万円)を残されたと仮定した場合に、妻以外の相続人(子供)から、相続財産の分配を求められた場合には、配偶者は住んでいる住宅を処分して相続分割しなければならないケースが発生する場合があります。

この場合には、現金は1/2づつ相続し、自宅も1/2づつ相続することとしますが、自宅は売却して現金化すのではなく、妻には亡くなるまで居住する権利=配偶者居住権を相続させ、他の相続人は自宅を売却をした時に代金をもらえる権利を相続します。

その後、妻がなくなった場合、当然に子がすべて相続することになります。

つまり、高齢者の居住先を確保させるための権利を取得させるということです。

但し、配偶者居住権で相続をすると、その後自宅の売却が出来なくなりますから、妻が自宅を離れるなどの状況になった場合には、そのままの状態で待たなければならないという問題が残ります。

また、固定資産税の負担も毎年発生しますから、現金化(売り時)を見極めながら、その都度対応方法を検討しなければなりません。

但し、配偶者居住権を相続することによって、現有の不動産は売却が出来ない相続財産であることから相続財産としての価値が下がりますので、相続税の負担が減少出来る効果もあります。

このように、相続に関しましては、様々な要因が絡んできますので、生前において相続が発生した時のことを想定して準備をされておくことが肝要でしょう。

***************************************************************

<ご相談>現在は既に高齢のみで老夫婦二人暮らしですが、それでもかっては子供たちがいてにぎやかな家庭でしたが、彼達も独立して社会人になり今はいません。 財産的には現在住んでいる土地・建物などの不動産関係、其れに金融資産としては郵便貯金の他に株式などを多少なりとも保有しています。

そこで、特に相続税のことなんですけど、つまり、我が家の遺産相続について色々と相談したかったわけですが、ただ最近になって相続税法も変わったなどの報道にも接していますが具体的には判りません。 特に配偶者に対する相続税が相当に有利な方向に変わったともされているようです。

又、配偶者や同居人に関しては居住権というのが有利になっているとも言われ、更に、相続した土地や建物関係の不動産においては居住権とともに、不動産の評価の総額によっては相続税の対象から外れるということも聞いております。

そこで、実際にはどうなのか、妻や子供たちへの相続税一般と金融資産関連の税率や免税などについてお伺いいたします。

***************************************************************

ご相談ありがとうございます。

埼玉県のブレイン・トータル・プランナーの舘野です。

婚姻生活で残された資産はご夫婦で築かれたものですから、妻に対する資産割合という考え方から配偶者への相続税の控除額は高いです。ちなみに相続税の配偶者への税額軽減額は1億6000万ですから一般的なご家庭であれば配偶者へ相続税は課税されません。

続いて、配偶者の居住権ですが、2020年4月1日から民法(相続法)の改正によって、残された配偶者が住まいと生活資金に困らないようにしたものです。従いまして、残されたご自宅には配偶者居住権が発生しますので、不動産の価値から配偶者居住権の価値を差し引いた残価値に相続税がかかるという制度です。つまり、残された配偶者が亡くなるまでの年数を仮定して、財産価値を減額するとお考え願います(当然、実際の不動産価値は変わりません)

但し、法定相続人(お子様方)への権利は減少しませんから、相続財産への請求があった場合には法定相続分を分割する必要もあるでしょう(居住権には影響しません)。結果として、残されたご自宅に配偶者が継続して居住し、老後の資金と合わせて法定相続分を分割取得し残りの不動産分と他の資産を他の相続人で分割するということです。

続いて、配偶者は亡くなるまで住居を確保でき、亡くなられた時点で居住権は消滅しますから、二次相続では居住権に相続税がかからず、お子様方が既に相続された不動産は、完全に所有する事が出来ます。ここまでが配偶者居住権により節税と言われるものです。

反対に現預金や株式(上場株)につきましては、相続発生時点での財産価値に対して相続税がかかりますので、事前に贈与税の暦年制度などを検討されてみてはいかがでしょうか。

ご個人の相続税に関する詳細な御相談は、税の専門家である税理士等に御相談され、早めに準備されておくことが相続対策には最も効果的です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました